Ryo's Diary

日常で感じた違和感や心が動いた体験を書き留めています。主なテーマは仕事、本、吃音など。

職場の教養

今の職場で働き始めてから約二年半の月日が流れました。仕事の種類が豊富で覚えることが多いのでまだまだ一人前にはほど遠いですが、少しずつ要領を掴んできている実感はあります。

入社して間もない頃に職場の上司に言われたことは「学校はお金を払って勉強を教えてもらうところだけど、ここでは自分たちがお金をもらってるから自分で勉強しなければいけない」ということでした。

昔気質の人間が多い職場なので「仕事は盗むもの(説明してもらうのではなく見て覚えろ)」という考えで順序立てた説明無しにいきなり仕事を任されることもよくありました。もちろん右も左もわからない新米なのでいきなり上手くこなせるはずもなく失敗して怒鳴られる毎日です。

ですが、昔気質の人は人情深い人が多いので毎日怒られながらも逃げ出さず真面目に仕事をしているとしっかり評価してもらえます。怒りながらも「俺が今これだけできるようになったのは、過去にそれだけ失敗を積み重ねてきたからだ」とフォローする言葉もかけてくれました。
(余談ですが、別の職場に勤めていたとき当時の先輩に「最初は仕事できないのは当たり前だ。でも本当に当たり前だと思うなよ」と言われました。失敗してもしっかり反省は怠るなよという意味だと捉えています)

仕事は見て覚えるものだとしても、やはり説明がなければ理解できないときもあります。そんなときはこちらから質問をするのですが、よく質問をする先輩によって返ってくる答えが異なるときがあります。
A先輩から言われた通りにしたらB先輩に「そのやり方は間違ってる」と言われた経験が社会人なら誰しもあると思います。単なるどちらかの知識不足ならそれでいいのですが、プロの職人同士でも同じようなことが起こります。

「どっちの言ってることが正しいんだ」と最初は戸惑うことがあるかもしれませんが、私はどちらも間違ってないと考えています。その人が今までに得た知識や経験の中から最善の答えを選んで言っていることなので、その知識や経験の違いから見えている問題も違い対処法が異なっているのだと思います。

「物事は立体的に見なければならない。一方向からの情報だけでは、真の姿はわからない。」と少し前に読んだ小説に出てきた一文ですが、前述のケースもこれに当てはまることです。だから私自身相手と意見が別れたときには、どちらが正しいのかを考えるのではなく相手の意見を素直に受け止めて自分の考えに反映させるようにしています。

このように今の職場では仕事の技術を学んだりお金を稼ぐためだけの場所ではなく、物事に対する考え方や他人を思いやる気持ちなど色々なことを勉強させてもらっています。
仕事に限らず、どんなことをしてもそこから学び取れることは思っている以上にたくさんあるはずなので、そういう姿勢を忘れずこれからも精進していきます。


p.s.
前述の少し前に読んだ小説とは東野圭吾の「夜明けの街で」という作品です。不倫をテーマにした物語ですが、東野圭吾お馴染みのミステリー仕立てになっていて面白い作品なので気になった方は是非読んでみてください。