Ryo's Diary

日常で感じた違和感や心が動いた体験を書き留めています。主なテーマは仕事、本、吃音など。

スポットライトが当たれば話せる

 
僕の職場では倫理法人会が推奨する活力朝礼を取り入れています。その中で職場の教養という冊子を読み、その内容に関して自分の感想を話すという時間があります。昨日は僕が担当で、冊子の内容が「親の思いを知る」というテーマだったので親に対する気持ちを話させていただきました。
 
「僕は親に愛されて育ったという実感がないので、親のことを考えるとつい複雑な気持ちになってしまいます。でも大人になって気付いたことがあって、それは当時の両親には子どもを愛する余裕がなかったのではないかなということです。父と母は昔から仕事を転々としていて自立した生活を送ることができず、生活費は同居している祖父に依存していました。仕事のない日はひたすらパチンコに行き、いま考えると何を生きがいにしていたのかわかりません。現在父と母は離婚して、母は親の援助を受けながらなんとか生活していますが、父は生活保護を受けて暮らしています。そういう自分が幸せではない状況にいながら、子どもを愛する余裕なんてなかったんじゃないかなと今では思えるようになりました。だから、他の親と比較してしてくれなかったことを責めるのではなく、余裕がない状況の中でしてくれたことに覚えている限り感謝したいと思います」
 
朝礼後、何人かの方が声をかけてくれました。「家庭の事情なんて全然知らなかった。感動したよ。頑張れよ」「Ryoくんの話すごくよかった。見直した」という感想を言ってくれたり「Ryoさんの話はとてもショッキングでした。僕も実は貧乏な家庭に生まれて体も弱かったので...」と入社以来まともに話したことのない人が自身の体験を打ち明けてくれました。
 
実は朝礼直前になって緊張してきて、やっぱり当たり障りない感想言って終わろうかなと一瞬考えたんですけど、ここで逃げたら成長できないと思い直し話す覚悟ができました。結果として話せて本当によかったと思います。
 
こうやって今では人前で話すことにかなり自信がついてきました。これは吃音当事者会を通じて発表の場にたくさん出させて頂いた経験が大きいのですが、一番最初のきっかけはある友人に言われた言葉でした。
 
僕はいつも複数人で話している輪に入ることができなくて「自分は人と話すことが苦手なんだ」と悩んでいました。そんなとき、ある友人が「Ryoはスポットライトが当たれば話せるタイプだから」と言ってくれました。そう言われると、確かに自分が一方的に話せる場面ではちゃんと自分の気持ちを伝えることができていることに気付くことができました。
 
それ以来、体験談発表などに積極的に参加することで人前で話すことに苦手意識が無くなっていきました。自分が得意な方法で自分のことを表現すればいいということに気付かせてくれた友人にはとても感謝しています。
 
<おまけ>
平日から長々と書いてしまいました。高校生のとき使っていた国語の教科書に「日々の中でふと気になったことはノートに書き残しておくとよい。例えば空が綺麗だなと思っても、時が経てばその感情は忘れてしまうから」という内容が書かれていたのが印象に残っていて、僕も忘れたくないことは出来るだけ書き残していきたいと思います。