Ryo's Diary

日常で感じた違和感や心が動いた体験を書き留めています。主なテーマは仕事、本、吃音など。

吃音セミナー報告

吃音がある経営者4名によるセミナーに参加したので報告致します。

【主催者の考え】
「吃音者は経営者に向いているのではないか?」
・吃音者は苦労している分、他人への思いやりがある。
・予期不安を常に感じているので、未来に起こるリスクへの対策ができる。

【吃音経営者のエピソード】
・新規開拓にて客先に行っても上手く話せない。
→チラシを丁寧に作ることで、話せなくてもとりあえず渡すことだけ考えた。
「話すこと以外は100%にする」

・最初に就職した職場でマニュアル通りに話すことが出来なかった。
→「小学生でも出来ることがなんでできない?」と言われクビに。
・次の職場では上手く話せない分、絵を描いて説明した。
→「わざわざ絵まで描いてくれてありがとう」と感謝された。

・職場に言葉が上手く話せない人、耳の聞こえない人がいる。
→チャットを使い始めてから発言が増えた。
「無理に話すことにこだわらなくてよい」

・経営において「人」は大事
吃音があったから皆が集まってくれたのではないか

・何事も深く考えるクセがついている。
→クリエイティブな発想から普通じゃない仕事を始めた。
(吃音経営者の職種)ペット供養、自走陸送、訪問歯科、移動販売
「自分が出来ること×世の中のニーズ=特化した仕事」

・「足るを知る」→話せないくらいどうでもいい。
咽頭ガンで話せなくなった人が、吃音者レベルに話せるようになったらすごく嬉しい」

・自分のペースに持ち込めばどもらない。
→経営者になるという選択肢もあり。

【吃音で良かったこと】
「吃音者は言葉に詰まると途中で話が遮られてしまうことがある」
そのとき自分がどういう対応をして欲しかったか?
→最後まで聞いてほしい、リアクションをとってほしい
「自分が実践したら友達がたくさんできた」
「話の内容より、ニコニコ聞いてくれるくれる人の方が好かれる」
「自分の内側にベクトルが向いているとつらい」
☆自分がしてほしかったことを皆にする。されて嫌だったことはしない。
(単純なことだけど、これを出来るかで人間関係は大きく変わると思います。)

【親との関係】
・「信頼」の対義語は「期待」
「上手く喋ってほしい」と期待されるより、「上手く話せなくても大丈夫だよ」と信頼されている方が安心できる。

・親は子供の将来を心配。
→立派に働いている姿を見せることが大切。
おすすめ本『吃音と就職:先輩から学ぶ上手に働くコツ』飯村大智

・一方で、就活が上手くいかず悩んでいる人もいる。
ポジティブな面だけを伝えるのではなく、失敗した話や辛かった経験も伝えることが大切。
※以前、発達障害の当事者会を主催している方が「発達障害の中でも正規分布がある」という話をしていました。特異な才能に恵まれた人もいれば、そうでない人もいる。成功者を引き合いに出して努力を強要したら追い詰めてしまう可能性があることを忘れないようにします。

・悩んでいる人には寄り添いが大事。
「人と話さない仕事を紹介してほしい」と相談に来る。
→本当にやりたいことを諦めているのでは?
「吃音関係なく本当にやりたいことを明確にする」

【感想】
今まで吃音当事者の方と吃音について話す機会はたくさんありましたが、仕事について深く話を聞く機会はあまりなかったのでとても興味深い話を聞くことができました。

「話すこと以外は100%にする」「自分が出来ること×世の中のニーズを考える」「足るを知る」「口頭で話すのが苦手ならチャットで伝える」「自分がしてほしいことを他人にする」など、吃音がありながらも自分に出来ることを精一杯やっているという話を聞いて僕ももっと頑張らないといけないと励まされました。